ラフティング日本代表の阿部雅代が引退を決意したたった一つの理由とは?

こんばんは、ドキュメンタリーを見ると胸が熱くなるゆう(@hanyu_yu1)です。

 

2019年6月16日(日)に放送された情熱大陸は、女子ラフティングの日本代表・阿部雅代さんを取り上げていました。

1978年愛媛県生まれ。20歳のときに初めてラフティングのツアーに参加し、その魅力にはまり、25歳の時に仕事を辞めてラフティングガイドになるために徳島県三好市に移住。同時にレースラフティングという競技があることを知り、競技選手となる。2005年以来、ラフティング世界選手権に日本女子代表として11回出場(総合優勝2回、準優勝4回、3位2回)。大好きな食べ物はあんこ。海外遠征にも持参し、試合の合間にあんこをそのままペロリ。40歳。

出典:阿部雅代(ラフティング日本代表) | 情熱大陸

なんと、阿部さんはラフティングが好きすぎて徳島県三好市に移住をしています。
ラフティングの日本代表ですが、その生活の実態は15年間アルバイトだといいます。
周りから見たら15年間もアルバイトで生活をするなんて考えられないと思うことでしょう。
僕も映像を見ないで話だけ聞いたら、お世辞にも裕福な生活を送れないだろうと。
しかし、阿部さんは輝いていました。
真剣な顔から笑顔になる瞬間を見ると、ラフティングをこよなく愛していることがビシビシ伝わってくるんです。
阿部さんはお金がついてこなくても、自分の好きなことに時間を費やしていました。
「価値主義」に軸足を置いた生き方だなと感じました。
ただ、阿部さんは15年前からラフティングで生きると決めていたので、価値主義の先行者といっても過言ではありません。
僕も価値主義に軸足を置きたいと思いつつ、迷っている状況です。
なので、ラフティングを中心にした生活にすると決断した阿部さんに対して、尊敬の念しかありません。

 

阿部さん率いるチーム・リバーフェイスは4人で構成されています。
しかし、世界選手権に6人で参加する必要があるんです。
そのため、残りの2人を別のチームから助っ人を呼んで大会に望んでしました。
助っ人もそれぞれ生活があるので、世界大会までに6人で練習できたのは2日間しかありません。
今年の世界選手権はオーストラリアで開催。
競技は「スプリント」「スラローム」「H2H」「ダウンリバー」の4種目で、1日1種目行われます。

レースラフティングはラフトボートに4人もしくは6人で乗り込み、激流をいかに早く正確に下れるかをタイムで競うスポーツです。
主な種目として、
スプリント
(短距離のタイムトライアル)
H2H
(2艇同時スタートによる短距離レース)
スラローム
(指定された順番にゲートを通過し、タイムを競う)
ダウンリバー
(3~4艇ずつスタートし、長距離でのタイムを競う)
の4種目があり、各種目の順位によってポイントが与えられ、4種目の総合獲得ポイントにより順位が決まります。
国内でのレースラフティングの歴史は古く、1970年代より大学探検部を中心に利根川長良川天竜川、北山川など全国各地で大会が開催されてきました。
パドルを漕ぐ瞬発力や持久力といった運動能力に加え、川を読む力やチームワークなど総合的な力が試されるスポーツです。

出典:WHAT'S RAFTING? | WORLD RAFTING CHAMPIONSHIP 2017 JAPAN OFFICIAL SITE

ただでさえ、体力勝負なのに選手村はテントに簡易ベッド。
しかも、テントの一部から雨漏りするというハプニングが発生していたんです。
そんな中、火蓋が切られた世界選手権。
初日のスプリントで4位と苦戦するものの、スラローム、H2Hでは好成績を残したチーム・リバーフェイスはトップ3に入った状態で最終日を迎えます。
最終日のダウンリバー。
川の総距離が8キロという長丁場で、集中力を切らさずにチーム一丸となって前に進む光景は選手の熱気が僕にまで届いてきます。
結果は準優勝。
世界で2番めです。
悲しいニュースよりも報道する価値のあるニュースだと思います。
遅ればせながら、チーム・リバーフェイスおめでとうございます。

 

帰国後、阿部さんはチームのメンバーに現役引退を告げます。
その理由は、次の時代を担う子どもたちへのラフティング指導に集中したいから。
阿部さんが世界選手権に挑んでいた環境は、劣悪といっても過言ではありません。
チーム・リバーフェイスには監督やコーチがいない状態でした。
監督兼コーチ兼選手として阿部さんが担っていたのです。
ラフティングが大好きで突っ走ってきた15年間。
この経験を活かし、次の世代には阿部さんが指導員として付いて正しい練習をさせたいといいます。
もしかしたら、10年後にはラフティング強豪国として日本が名を連ねているかもしれません。

 

おわり